海馬の記憶
時間の密度が濃いのは、命を燃やしているからだろうか。
インコの「サクラ」が居なくなって、もう10日が過ぎたのに、昨日の事の様に思える。
相変わらず片割れの「ピーチ」と一緒に窓の外を眺めながら、涙は尽きる事が無い。
反比例して日常は、幸せで楽しい時間が多すぎるので、不謹慎な様な気もする。
髭男の松江公演も最高だったし、蕨も鱸も大量の日が続いている。
でも、踊っている人達を眺めてワインを飲んでいただけ。
社交辞令も戦争反対も御免被る。只々、早く家に帰りたかった。
淋しがっている「ピーチ」や、新入りの「空」が気掛かりで、如何しようも無いんだ。
19時に帰宅すと、インコちゃん達、ウーパールーパーちゃんが待ち兼ねていた。
宍道湖で釣り上げた鱸のソテー、蕨とワカメのサラダ、バーボンのロック。
書き切れない思いは、何処に残せば良いんだ。
やっぱり、海馬の記憶しか無いか。