空は40℃の香り
ペットロスの中でも、小鳥が一番キツイらしい。
例外なく4月5日に、セキセイインコを逃がしてしまった後遺症は惨いもんだった。
私の不注意で迷子にさせてしまい、私を探して空を飛び回るサクラ。
諦め掛かっていた時、空の彼方で二羽の烏に襲われているサクラの姿を見つけた。
あのヒョウキンで人懐っこいサクラが、生きた儘食べられたんだ。
可愛いサクラの思い出と、自責の念で1か月間は、泣いた。
残されたピーチの憔悴の仕方は、私どころでは無かった。
だから、羽衣インコのソラをお迎えする事にしたんだ。
ペットロスのカウンセラーと1対1でZoomをして、スピリチュアルなパワーを頂いた事も有った。
幸いにも今では、ピーチとソラは毎日楽しそうに部屋中を飛び回っている。
私とインコ達との約束は、「1日10日分の幸せを噛み締めよう」だ。
夕御飯、箸の上で御飯を突く、二人の体温は40℃。
天涯孤独な私の鼻腔に、温かい人の肌の香りが広がる。
10日分の幸せを噛み締めて。