ブレイントラスト

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インコと暮らす幸せ

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私の部屋の一等席には、何時もセキセイインコがいます。

此の子達は生命力に満ち、無邪気で好奇心に溢れた、天使の様な存在です。

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愛情って、なんだろう。

セキセイインコのピーチは、二週間前までは雛だった。

大きな瞳で好奇心に溢れた、如何にも賢そうな子。

羽も伸び、飛び方を覚え、部屋中をバタバタと飛び回る。

近くのホームセンターで、また次の子と巡り合う。

カナリアの様な羽毛に包まれた、赤い瞳の子。

レジの店員さんが間違えた、180円のレシートをマジマジと眺める。

17歳で7年前に死んでしまった、ミニチュアダックスの「サクラ」と同じ名前を付けた。

雛の餌を入れたストローから少し息を噴き出すと、勢いよく食べてくれる、おちゃめな子。

未だ幼鳥だったピーチは、サクラをとても可愛がった。

口移しで餌を吐き戻して食べさせたり、飛び方までも根気よく教える。

子供が親代わりをするなんて、なんと言う愛情の持ち主なんだろう。

深く尊敬してしまい、此の子も矢張り、神様の使いだと思った。

二人は一日中囀り合い、戯れ、キスをして、部屋中を飛び回る。

親子の愛情が恋愛感情に発展する訳だから、二人はもう離れられる訳がない。

大好物の粟の穂を求めて、再びホームセンターに行くと、また目が合ってしまった。

それは、幸せの青い鳥、可憐な声で囀る、レミだった。

今度は、サクラがレミのお世話をする番らしい。

私は何時もニコニコしながら、朝から晩まで此の子らを愛でていた。

子供達との幸せな時間が幸せ過ぎて、人間嫌いに拍車をかける。

「少しは見習えよ、人間!」

でも、此の子たちの幸せって何だろう?

穢れの無い大空を自由に羽搏いて、「思いっきり生きてるぞ!」って感じる事かも。

私なら、きっとそう思う。

私は部屋の窓を全開にして、「いいよ」って目配せをした。

直ぐに、キキ喜喜喜々と羽搏いたのは、レミだった。

そしてレミは、直ぐ近くの山の雑木林の方角に飛んで行った。その時、竹林が優しく揺れた。

淋しさと、切なさと、誇らしさで、胸の奥が苦しい。

ピーチとサクラはキョトンとした眼差しで、只私をジッと見つめている。

「もしかしたら、鳶やカラスに襲われるかもしれない」

「餌も無く、ひもじい思いもするだろう」

大慌てでベランダに大好きな粟の穂を吊るして、「帰って来て」と呟いた。

心配で心配で溜まらなくなり、泣いた。ティッシュが搾れるくらいに。

私は、愛情が足らなかったんだ。

自己満足な愛情、軽はずみな思い付き、

所詮は、綺麗ごとのシナリオライターだったんだ。

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セキセイインコの平均寿命は、およそ10年です。

此の子達に取っは、一日が10日分相当の貴重な時間です。

だから、24時間と言う時間の中で、10日分の幸せを何時も感じて貰いたいのです。

此の子達から私は、100日分の幸せを貰っているのですから。

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